最強の剣の作り方(1)
−まずは実現可能レベル−
夏休みに入ったよいこの諸君。
ならびに夏休みに入った大人の諸君。私は今週も仕事だ。
それでも最近政治スメルがきつすぎるので、私の脳内のとくがわが
熱暴走し始めてこのようなシリーズを開始することにした。
以後、よろしく頼む。
最強剣…なんといい響きだ。(注:作者は心のどっか壊れてます)
最強剣を作るにあたってはいくつかの条件を満たさないといけない。
1.技術力
たとえば日本刀だが、鋼鉄といわれているが実のところ原材料には
チタンやアルミニウムなども含まれていたりする。(これがどう影響するか不明)
逆に精錬が進んだ西洋鋼では日本刀は作れないのだ!
…技術力って高ければいいってモンでもないな。
2.切断方式
通常の刃の場合、分子レベルでの金属の微細な刃並びが切断の元となっている。
ただし、単純に切断するだけなら現在では何も剣と同じ構造でなくてもかまわない。
分子を加熱する方式、圧力をかける方式、物理学的にえらいことする方式などの
うち、いくつかは工具としては実現している。
3.消費エネルギー
分子加熱型や圧力型は確かに工具としては実現している。
しかし、こと剣となると…それを手元に収めないといけない。
現実的にそれが可能になるかはまだ分からない。
同じエネルギー消費型とはいえ、少量で済む物からとんでもなく必要な物もある。
ましてや物理学的な手法の場合、そもそもそんな武器誰も作ったこともなければ
使ったこともないので結果がどうなるか想像するのも難しい。
…さて、まずは物理系エネルギー非消費型刀はどうよ、というお話。
(平たく言えば最強の「刃物」は?というお話)
・日本刀 属性:無し エネルギー消費:人力+メンテナンス作業
切断能力でいうとやはり日本刀を挙げざるを得ないのかなぁ…ていうより、
そんな使用目的の刃物が実はそんなに多くないような。
ところがこの日本刀の存続自体がすごく危ない。
1945年、日本敗戦とともに多くの刀が燃やされたり捨てられたりした。
(日本刀愛好者は世界中にいたので、みんなぶち切れだった)
幸い国宝級の多くは「美術品」という扱いを受けたので何とか難を逃れた。
だがここから日本刀再興に向けての苦難の道のりが始まる。
まず材料がない。通常日本刀は砂鉄から特殊な炉で作られる。
(タタラ製鉄といわれる製法)しかし、これが途絶えて数十年。
炉の再現にも大変な労力がかかった。おまけに玉鋼の製造量にも限界がある。
また、GHQの昭和刀狩により刀工が作れる刀の数に限界が設けられた。
…どないして生活しろってんだよ?アホか?
そんな状況でありながら、日立金属と刀工たちは現代刀を新刀レベル
(江戸時代レベル)にまで高めることに成功している。
ちなみに軍用刀として使用されていたサーベルの中には日本刀以上の性能を
発揮した物もあるといわれている。いずれにしても1本100人は無理。
おそらく短時間で一番人斬ったのは13代室町将軍足利義輝ですかね。
名刀という名刀を引っ張り出してきて(天下五剣すら含む。大般若長光なども)
切れ味悪くなったら次の名刀でぶった切る。諸説あるが鎧着た武者30人
(いやもっと)を斬ったとすらいわれている。鎧だぜおい。3時間の戦闘でこんだけ
とかどんだけ強いんだよ義輝。まったく日本刀は達人が使うととんでもないな。
あまりに強すぎて、結局刃物で殺すのは無理と判断され射られまくったが、
その矢すら20本斬ったとか…もうダメだこの将軍、強いってレベルじゃないぞ!
最終的に畳返しで大量の畳を投げつけ、そのうえから槍で刺しまくったとか、
三好とか松永とかの連中情けねぇ…情けなさ過ぎる…
使われた刀がまだ残存してるってのもすげぇな。
1本の刀で切れるのはせいぜい10人くらい、突きならもう少しいけるかも?
(織田信長など多くの戦国武将にも一目置かれていたようである。
もし彼が生きていたら…歴史は全然今と違った物になっていたと思われる)
話しは現代に戻る。
日立金属だが、玉鋼の技術をナイフに持ち込んで、優れた切れ味のナイフを
作り上げている。アルティメットシリーズって名前も伊達ではないようだ。
さらに最近では、その上にタングステンコーティングとダイヤモンドコーティングを
施した「リアル斬鉄剣」(命名:藤岡弘、)の威力がTVで炸裂している。
でもあれ、相手の日本刀が60万の安物だぜ?
虎徹とかだったらどっちが勝ったかわからないと思う。
さて、エネルギー非消費型についてはもう日本刀だけでおなかいっぱいです。
(バスタードソードとかドラゴン殺しとかほぼ鈍器でしょと、それゆえ義輝並の
一人戦国無双は困難なのでは?でかいし。)
あと2種類ほどエネルギー消費型で実現可能そうなものを考えて見ましょう。
・雷神剣 属性:雷 エネルギー消費:電気少量
スタンガンと剣を組み合わせた物。芯となる素材は非伝導体。
この剣は斬るのではなく、叩きつけることで威力が発揮される。
上手くすれば数千万ボルトの電圧を相手にぶつけられる。
最早ライデインストラッシュレベル。斬るまでもなく相手大やけど。
さらに金属の上から伝導、鎧や盾も関係ないという代物。
斬るとか斬らないとかそんなレベルではない。電極が当たれば痛い。
とりあえずこれもって来た奴いたら、プラスチックの盾などで対抗しよう。
セラミックの刃で切れる可能性もあるが、切断能力では上記の日本刀に劣る。
あるいは相手に水ぶっ掛けると自滅する可能性もある。
・フレイムソード 属性:炎 エネルギー消費:燃焼ガスを中程度
以前にも紹介したが、単純に過熱して金属を切断する。
人間相手だと斬る前に大やけど。ただし、注意しないと視力に影響がでる。
また、使った際の残滓にも注意。下手したら自分も火傷である。
対抗する手段としては土砂、水などがいいだろう。
とにかく火さえ消してしまえばただの棒なのだ。
炭酸ガスや消火器撒き散らしても消えるかも。
というわけで火炎、雷神剣も消して弱くはないが、日本刀のエネルギー
消費0はやはり魅力である(どこのスパロボだ)
さて次回は、「工具として実現しているが、現実には存在しない剣」について。
意外な剣が登場します。工具としては実現ってところがミソですね。